あなたはGOTOH派?
それともウェバリー派?
ギターのペグを替えてみる

ギターのチューニングが合わないとこれまたストレスの原因ですね。
軽くチョーキングしただけで狂うギターも耐えられませんね。

もう少し安定して欲しいものです。



(ー'`ー;) ウーン



時々,チューニング中にキンっとかカンっと言って急にチューニングが上がることがありますね。
あれはテンションが高い時に生じる現象です。

ナットの溝がテンションを高く取るとあれが生じます。


ナット溝がそのままでもサドル側でテンションを上げても,その影響でナット側のすべりが限界を超えてそうなる場合もあります。


いずれにしてもテンションが高い時に,ナット溝の摩擦係数が高いとなる現象です。



それをペグのせいにしてしまう人がいるようですね。ショップなんかでそういう時にペグ交換を進めていたりするのは少し疑問です。

あれはナットの溝の取り方で変わると思います。


もちろんペグを変えてポストの位置が変われば,テンションは変わります。
たとえばポストが今のキンっというポストよりも,弦の巻き位置が高くなればテンションは相対的に緩くなりますので,それである程度解消される場合があります。


でも,それはテンションが下がったことは変わりませんので,本当はペグを変えずにもできる作業かもしれません。







この度はそういう現象の話ではなく純粋にペグの性能の話です。

高級なギターにはほとんどウェバリーが付いてきます。
マーチン,ボジョアー,コリングス,サンタクルズ…などなど。

マーチンのGEもウェバリーが多いですね。


ちなみにウェイバリーとか,ウェーバリーとか表示されたりする場合もあります。
英語は  WAVERLY  です。


ちなみに英語のサイトでは糸巻きを TUNER という表現が多いと思います。
PEGという時もあります。



ウェバリーは使ってみると確かにいいんです。




このブロンズとステンレスを組み合わせた設計がみそでしょう。

おそらくブロンズの方が金属としてはやや柔らかいような気がします。
それで,チューニングが合ったところでピタッと止まるような,食いついて動かないような印象があります。


ギヤのかみ合わせが非常にいい感じなのです。
ボジョアにはゴールドのウェバリーでしたが,これまた良かったです。

一般的なアコギショップで上の写真のウェバリー4060を買うと25000円くらいでしょうか。


ジャー,高くてもウェバリーがいいじゃないですか。



(ノ^_^) ハイ!



ところが・・・そうでもないんです。

ウェバリーも完璧のようでいて違うんです。

まずは少し年数が経ったウェバリーを見てみましょう。





間違いなくウェバリーです。





見えにくいと思いますが,ペグのボタン(つまみ)が白くさびているんです。
さびやすいのです。

もちろん赤さびではないので,いいと言えばいいのですが,触った感触が良くないのです。


何となく,私がギターの主人なのにギターから・・・


「あんた,手ベタだよ」   (汗かきの手のことです)


となんだか非難されているような気がしたりしていやなものです。



(* ̄m ̄) ププッ




ジョーダンはさておき,さびた感触は確かに良くありません。


まあこれは我慢できる人もいると思います。
何にしても性能はいいわけですから。


でも,性能で我慢できないところも実はあるんです。




なんと,トルクの調整ねじがゆるんでつまみが外れるのです。



(」゜ロ゜)」 ナント!!





この付け根に見える切りかきがある部分です。

これがゆるんで回ってくるのです。

そうするとつまみがペグ本体から外れてしまうのです。




ゆるまないように締めればいいでしょうか。


それは専用工具が必要になります。



これはGOTOHのベース用でしたが,加工してもらってウェバリーに合うようにしてもらいました。



これで解決するでしょうか。


なんとしないのです。


トルク調整ねじなので,締めると回りが渋すぎて使いにくいのです。


それで,ゆるまないかというと時間の問題で緩むのです。



「(≧ロ≦) アイヤー



これでは,ペグとして欠陥です。
変則チューンには全く使えません。


でも,6個のうちの2個がそうなっているのであり,全部がそうではありません。


生徒さんのコリングスのウェバリーも1個がだめで他は大丈夫です。




ある時期のものがだめだとか諸説ありますが,高級品でこれでは悲しい限りです。



さびない,滑らか,メンテナンスフリーというものがないでしょうか。



そうなると,やはり,日本製ですね。

実は世界のギターメーカーのうち,かなりの割合でペグはGOTOH製が使われていると言います。




さらに,業界の人なら知っていると思いますが,フレットワイヤーもかなりの程度日本製が使われています。

株式会社 三晃製作所  フレットメーカー


メイドインUSAのギターを買ってみたら,ペグもフレットも日本製,その他のパーツは中国製で,純粋なUSAは設計とスピリッツだけだったということもあり得るかもしれませんよ。




メーカーの名前がマーチンとペグに入っていても実際はGOTOHで作っていると思います。
群馬県伊勢崎市にあるのに世界のGOTOHなのです。


マーチンのゴールデンエラはウェイバリーですが,その上のオーセンティックはGOTOHなのです。
SD770というタイプのようです。770だとウェイバリーと完全に互換ではないような感じですね。


実は,イサトさんもGOTOHが好きだと聞いたことがあります。


ペグに何を求めるか。
音色の良さか,それとも安定度か。



さて,GOTOHのペグにはいろいろ種類がありますが,その中にもエックスフィニッシュというものがあります。
このいぶし銀のような艶消しものでさびないというのです。



\(◎∠◎)/オウ~ビックリデース


ジャパニーズテクナラジー!






GOTOHカタログにもそれは書かれています。
汚れや水を受け付けないとあります。

究極のフィニッシュ・・・



究極   いい響きです。私の好きな言葉ですね。オタク心をくすぐります。



(* ̄m ̄) ププッ



そのGOTOHの中でも本当のGOTOHのペグは型番が違います。

GOTOHの最高の技術を投入したペグは型番が 510 なのです。



5 は ゴ  10 は トウ

510でゴトウ  つまり,GOTOHなのです。ダジャレ系です。




♪~( ̄ε ̄;)




1310でイサトも同じ発想ですね。

310(サンイチマル)自動車に昔お世話になりましたが,それは佐藤さんでした。



GOTOHの510番は確かにいいのです。
ヘッドウェイでも510番のペグを採用しているモデルが結構ありますよね。


あの動きはいいんです。
ロトマチックですが,SGL510の動きは非常にスムーズでいいですね。







オープンバックのペグでも510番のものがあります。

SE510のシリーズです。
外観はウェバリーなどのオープンバックと一緒ですが日本人のきめ細かい技術が生きています。




ペグのボタンも注文していろいろ変えられるようですが,やはり定番のものが落ち着きますね。




ペグの型番にボタンの形の型番を足して,フィニッシュの色合いの型番を足すとペグの名前が出来上がります。



例えば,SE510W-06M-XN L3+R3 の意味ですが。

SE510のウェバリー互換タイプのサイズでSE510W。

06Mというのは上の写真の2段目のシルバーの方のボタンの形ですね。

それに,XNはエックスフィニッシュのニッケルカラーです。

エレキはL6というのもあり得ますので,L3+R3で左右3個ずつというわけですね。







なんとも日本的な几帳面さがありますね。



(≧∇≦)b なるほどっ!






さて,コリングスのウェバリーを交換するとしましょう。

でも,すぐに510Wを買うかとはいかないところが大切です。



コリングスが普通のギターと違う点があるのです。

この写真を見てみましょう。




普通ギターのペグ穴はもっと大きく空いています。
コリングスのペグ穴はブッシュの段階とその下のポストと2段階に穴が空いているのです。






という感じで,普通はブッシュの下は空間ですが,コリングスは隙間がないのです。

これでは裏から押せば外れるという普通のブッシュ抜きが通用しません。



アンフィニで挑戦してもらいましたが,簡単にはいきませんでした。



それでブッシュは抜かずにそのまま使用することにしました。





もちろんアンフィニでは時間をかければやれますが,コリングスの仕上げに敬意を表したいと思いました。



(ノ^_^) ハイ!




では,ペグは当然510Wにしたか?という点ですね。


これがNOなのです。


510Wにはセンターガイド筒という装置が付いているのです。




この付け根の黒いブラスチック部分です。

これによりロトマチックと同等のセンターポストの安定度を実現しているというのです。






これが8.65ミリくらいあります。

510Wのブッシュのパイが8.8ミリと書いてありますので,下まで穴が貫通していればこのセンターガイド筒でばっちり安定ということになり,さすが510という話になるところです。


が,コリングスはその設計において同じような効果をすでに発揮しているのです。



w(°o°)w おおっ!!



さすがだね。ビル。


それでコリングスにはこのセンターガイド筒がある510が付かないのです。
というか穴をさらに加工する必要が生じるのです。


それならば,センターガイド筒がないGOTOHにするしかありません。


それで,SE780になるわけです。





もしもペグをひとつはずしてみて普通に貫通している穴が空いていれば私は間違いなく510を付けます。


この度はビルに敬意を表して,SE780のXフィニッシュにしました。



( ̄~ ̄;)ウーン・・・微妙 本当は510を使いたかった。



でも,2段階にヘッドに穴が空いている方が余計な共振なども抑えられていいような気もしますよね。











実はすでにこのSE780にして1年以上経つのです。

実際の使用感はいいのです。


これで,DR-1のデモでシティオブトーキョーも弾きました。
いい音だといろんな方がおっしゃいます。




私は時々おかしくなるウェイバリーよりはペグには機能を求めてGOTOH派なのです。


とにかく,スムーズ。気持ちがいいです。
音も私はいいと思います。

ウェイバリーとの音質の違いはもちろんあると思いますが,それよりもナット,サドルの調整の方が大きな影響があるように思いますので,私はペグは滑らかさを求めたいと思います。





フォルヒのビンテージシリーズなどもGOTOHかなと思ったりしますが,エックスフィニッシュではないタイプのものだからか,変則チューンで使い込んだ人のペグなどは渋いペグもあったりして,これは交換したいなと思ったりします。


弦をはずしてから裏のねじを2個緩めればペグ本体は抜けますので,穴が貫通かどうか確かめられます。



SE510Wも入手しましたが動きがいいのはただ手にとって回しても感じられるくらいです。






ものの存在感がありますね。



510Wにはブッシュ抜きも付いてきます。








取り付けの説明も付いてきます。



もちろん自信がない場合は楽器店でもちょっとしたところならやってくれると思いますよ。

でも完全に互換性のあるペグを選べば,自分でも簡単にできますので,挑戦してみるのもいいですね。




あまりペグを置いている店とかはないようなので,このSE510W-06M-XNに関しては新岡ギター教室WEBでも取り扱いたいと思います。

それくらいいいペグですね。



他にもゴールドのタイプとかコリングスなのでSE780が・・・という場合は納期を見てくれれば準備できると思います。




GOTOH SE510W-06M-XN L3+R3

全国送料込みの15600円です。



あなたのペグ穴が貫通していればSE510WがOKですね。
まずは1本はずしてみましょう。





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