本当のマーチンサウンドはやはり素晴らしいです。
それにはやはり日米のコラボでしょう。
マーチンのネックリセットレポート
日本にあるマーチンのコンディションはそれこそ様々ですね。
以前に東北のある楽器店で新品マーチンのHD-28V,HD-28,D-28と3本比較しましたが,結果はD-28が良かったのです。
理由はネックが起きていないからです。
他の2本はすでに店頭にある時点でネックアングルが起き気味なのです。
それをロッドで逆反り気味にして何とか弾けるようにしてあるという感じです。
(ノ_<。)うっうっうっ
これでは本当のマーチンサウンドから遠く離れた音を,店頭で宣伝しているような感じですね。
特に,このネック起き気味のギターをロッドで逆反りにさせて,何とか弾けるようにするという技を「マーチンS字ネック」と勝手に呼んでいますが,これが結構多いのです。
ロッドで逆に反ると当然ですが,5~7Fあたりではバズります。
でもネック起きのためにテンションが高くなって,弦がパンパンでこのバズが最小限になり何とか音が出てしまうのです。
当然ですが,弾いていて気持ちがいい音ではありませんし,弾きにくいのです。
「(≧ロ≦) アイター・・・
アメリカで直接購入されたOM-41を日本に持ってきて大事に弦も緩めていたのに,いつしかネックが起きてしまい,それで弾くためにこのS字ネック状態にするしかなく,音も弾きやすさも何とかしたいという依頼が来ました。
S字にして逆反りなので,何とかナット位置が少し後ろに下がって音になっていますが,この弾くにくいテンションと,前に抜けていかない音は,とても高いギターとは思えないのが残念ですね。
これがマーチンのS字ネックなのです!
「(≧ロ≦) アイヤー
見事な起き具合,5F辺りからの逆反りも見事というか,そうしないと弾けないですよね。
簡単なチェック方法としては・・・
6弦の9Fと20Fを押さえて,14Fを叩きます。
ツッツならOKですが,カチカチと言うとかなりアウトの可能性がありますよ。
右手の小指で20Fを押さえて,人差し指で14Fをチェックします。
14Fに隙間が見えますか。
でも弾いてみると音に深みがあります。
トップも木目も非常にいい感じです。
このギターは本当はいい音が出るに違いない。
(・_☆) キラーン
我が子がちょっとグレていても,きっと立ち直ると信じる親のような気持ちでリセットに送り出すのでした。
そして,月日は流れ季節は初夏のセミの声が聞こえ始めた頃です。
あの子が見事に立ち直って帰ってきました。
(それほど長い期間はかかりませんよ。大抵は1~2ヶ月ですよ。問題が多ければ3ヶ月とか)
w(°o°)w おおっ!!
見事です。
100点満点の理想のネックです。
弦高が低くてもサドルの高さもしっかりとあります。
音はどうでしょうか。
♪ ボロロローン
(T_T) ウルウル
これがマーチンですね。
ネックリセットによってプレーン弦が引っ込んでいたのが前に出てきます。
そして,低音の音量もアップします。
何よりも,音が前に抜けていきますね。
仕上がりを見てみましょう。
きれいですね。OKです。
反対側もOKです。きれいですね。
マーチンのたてロゴはやはりかっこいいですね。
最終的なテンション感の調整はやはり私がオタク基準でやる必要があります。
完全復活したマーチンは誇らしげな雰囲気がありますね。
41は一般に28に装飾をしたものと言われていますが,41の方がトップのグレードが28よりもいい気がします。
音もOM28よりも深みがあるような気がします。
装飾のせいでそう思ってしまうのでしょうか。
( ̄~ ̄;)??
本来の音が出て評価が何倍にも上がったマーチンでした。
オーナー様からメールが届いております。
昨晩ギターが届きました。
早速弾いてみましたが、バランス・音質・弾きやすさ等生まれ変わったように良くなりました。
いまさらながらギターという楽器は専門家の調整なしでは成り立たないものだなと感じました。
ネック起きが直ったことが大きく効いているのかもしれませんがその他の調整も、私の手におえるものではなかったなと感じています。
最高級の材ではないですが、私にとっては初めての単板ギターでアメリカ在住の友人のつてで買ってもらったものなのでなんとか本来の音を出したかったのですが、ようやくそれが実現しました。
どうも大変ありがとうございました。
今後もWEBでの研究発表を楽しみにしています。
ネックリセットは多少時間とお金が必要ですが,ギター本体の値段からすれば必要経費と考えてもいいかもしれませんね。
マーチンの設計はやはり素晴らしいですね。
いい音に感じられない時はどこかが狂っているからですね。
どの子も育つと信じてあげましょう。
(ノ^_^) ハイ!
日本の技術でリセットして本来のマーチンサウンドを引き出す企画です。
この日米のコラボがいい音のキーワードですね。
あなたのマーチンのネックアングルはいかがですか。
(・_☆) キラーン
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O(≧∇≦)O イエイ!!
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SUMIギターにはこれがベストかな。 JohnPearse JP#600L
録音などの際は定番です。 DAddario EJ-16-3D
コーティングだけどすごくいい感じ。 MSPLUS-4100 Light Gauge
マーチン弦ではこれもすごく好きです。耐久性があります。 マーティン弦 MEC12 Light
コーティング弦よりもこれを3回変える方が多いですね。 MARTIN M2100PK3 LGT 3SET PACK
岸部さんが愛用していたと思います。 Dean Markley ALCHEMY/2045/12-54 アコギ弦
コーティングの定番ですね。 Elixir エリクサー / Acoustic Phosphor Bronze Guitar Strings (Light)
KMP アコースティックギター教本[改訂版]中川イサト編著
たまにナット溝のすべりが悪い時に使います。 John Pearse / String Swipes