サドルを点接触に削ってみましょう。
弦高の限界や考え方もわかります。
失敗例付きです。

(T_T) ウルウル
2010/7/20
点接触のサドルがいつもベストというわけではありません。
箱鳴り感をアップしたい時には有効な場合があります。

でもギターの調整には順番がありますね。やはりネックアングルからです。
どんなにナットとサドルを変更してもネック起きがあるとどうにもいい音に調整しきれないと思います。

サドルの削り方の参考としてご覧くださいね。




点接触ということを最近書いていますので,試してみたいという方もいると思いますが,最も簡単なのはサドルです。

今あるサドルでも出来ますから。
すでに試された方がいます。その方のレポートです。

箱鳴りや弦(特に巻き線)の持っている透明感が増し、本当に心地よい音色になりました。 - 長崎 F川さん

というわけです。

(ノ^_^) ハイ!

では,道具からそろえましょう。




今のサドルと新しいサドルの素材ですね。
PQ-9280-00は高さもあり大きめですので,Taylor,フォルヒ,ギブソン,ラリヴィー,などなど3ミリタイプはほぼOKですね。

空研ぎ用の紙やすり,100番,180番,400番,800番,サンドブロックにしている角材,マスキングテープ,バイスですね。

ノギスも必要ですね。

でも,どれも高級品ではありません。



サンドペーパーをサンドブロックのサイズに切っておきます。




すぐに張り替えられるのがポイントですね。



さて,最初の準備は平らな面に,180番と400番を広げます。

サドルの溝にぴったりと入るように削って幅を最初に出します。
やはり,理想はキシッと入ってさかさまでも落ちてこないことですね。

サドルの溝もタスクそのものも完全な平行になっていないのが大変です。が,それを何とか合わせて行きます。

幅が決まって,次に長さを出すときも,ホンのわずかですが,上の方が長く下が短くという感じに削って行くとピシッと入リますよね。
長さの点でも完璧がいいと思いますが,そうも行かないのでややテーパーの方がキシッと入りますよね。




逆さにしてピンは落ちてきますが,サドルは落ちてきません。


(⌒^⌒)b なるほど


では,いよいよ上面の削りに入ります。



STEP1です。
最初は現在の弦高を測ります。
6本全部測りますよ。慣れましょうね。

必ず書き留めますよ。すぐ忘れますよ。



STEP2
目標弦高を決めます。

STEP3
その差を出します。
そして,12フレットとサドルの位置では約二倍の差がありますので,数字を2倍します。これが削る量になります。

STEP4
現在のサドルの高さを正確に出します。




紙に書きながらやってみるとこうなります。





現在のサドルから削るべき量が分かればサドルに印をつけます。





そのラインを見ながら削って行きます。
マイナスは悲惨ですので,臆病になりましょう。

(o;TωT)o"ビクビクッ




ビクビクしながら時々確認もします。

ビクビクして確認しないなら,マイナスになってもっと失望しますよ。

<(T◇T)> うぉぉぉぉぉ!!!



大体高さが出た所でやめます。
0.1ミリくらいは残しますよ。




この度の補正のラインを入れてみます。

6弦は音色の補正というよりも,弦高を下げた時にテンションが下がるのでどうしてもバックさせてブリッジピンに近づけて,テンションを稼ぎたいという狙いからです。私の場合は。

5弦の補正は普通はセンターに来ると思います。
タカミネとか他の補正もそうなっている場合があります。

でも,これもその人のスタイルとか考え方と関係があり,どこと合わせたいかという事が重要ですね。

バズフェイトン式の3弦がやや下がるチューニングで行くと,3弦開放と5弦10Fの音が本当に少しですが,5弦が下がっているように感じます。

高い時は弦長を伸ばしますが,低い時は短くします。
よって5弦をフロントにしたい(弦長短く)のですね。

平均率チューンだと普通はセンターの方が一般的でしょうね。
でも強く押さえたり,チューニングが狂っていれば,すべての調律補正は無意味ですので,そういう人はあまり気にしなくてもいいかもね。




2,3弦の間のブロックにはやすりを入れておきます。
その後サンドブロックで削って行きます。





鉛筆で書いたラインを残しますよ。
もしもラインが消えてしまうほどだと,せっかく出したトップが下がってしまっている可能性があります。

ここまで来てマイナスだとすべては水泡となるのでした。

o(T□T)o




大体いい感じになったらコンパウンドで磨きましょう。





車用ですが,荒目,細目,と使うと鉛筆も消えてきれいになります。





こうなるとなんだか,オリジナリティあふれてオタク心をくすぐりますよね。
誰かに尋ねられたりする時に・・・。


「このサドルはメーカー純正ですか」


( ̄ー ̄)ゞ フフフのフッ


「これは手工品なのさ。」


という具合にちびまる子ちゃんの花輪君になった気持ちがするかもしれません。ヒデじいが作ってくれれば最高です。

誰かサドル職人になってオーダー受けてくれませんか。

ププッ ( ̄m ̄*)




弦高は?

予定通り2.5ミリです。


花束♪(⌒ー⌒)o∠★:゚*'  おめでとぉ♪


しかしこの後,大きな落とし穴が待っているのでした。


つづく。



<(T◇T)>うぉぉぉぉぉ!!!


サドルの失敗例 & 弦高の考え方




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