チューナーを選ぼう
きっと皆さんはすでにチューナーのひとつくらいは持っているでしょうね。これもいろいろなメーカーのものを試してみますと,結構違いがあったりします。

たかがチューナーと思う人もあるかもしれませんが,これが侮れないのです。実際,ギターを始めてから自分の音感をしっかりと作るまではチューナーに頼る方がいいと思っています。

音叉を頼りにあまり正確でないチューニングのままギターを弾いていくと,正確な響きに敏感になるのは難しいかもしれません。(あまり敏感でないからそれでも弾けるのかはなぞ)

自分の中に正確なチューニングの音の記憶ができた後に,音叉を使って練習していけば,さらに,その音感を磨けると思いますよ。

アコースティックギターで単音だけ弾く人はまだいいかもしれませんが,フィンガーピッキングでアルペジオやコードの響きを聞かせる場合は,各弦のチューニングが音のイメージに大きく関係します。
それが狂っていると,どんなに上手であっても,やはり気になります。


それで,私はチューナーは大切だと思っているのです。

これらのチューナーを試してみました。



上段左から,「スタインバーガー(ZENON)クロマチック」,「BOSS TU-12(プロも使う定番ですね)」
下段左から,「BOSS TU-15(新製品,多機能)」,「KORG DT-7(バズ・フェイトンチューニングシステム搭載)」

それぞれの特徴を少し見てみましょう。



スタインバーガーのネームバリューで買ってみましたが,安定度は今ひとつです。
左の切り替えスイッチも小さすぎて,普段使いたい「クロマチック」にするのが少し面倒です。値段が,安かったのですがこの手のチューナーを買うともうひとつどうしても欲しくなるので,初めからいいものを買いましょう。






TU-12は説明の必要がないほど定番なので,省略して新製品TU-15を紹介しましょう。
12よりも機能が豊富になりました。チューニングが合うと「ピピ」と音が出るのが便利だと思います。初心者でペグを見ていたい人は特に便利です。
ライトのオンオフ,オープンチューン,オクターブ調整など何でもありです。

今までのTU-12とそれほど値段が変わらないので,これからBOSSを買う人はこれがいいと思います。






これは,コルグのDT-7です。チューニングの安定性もOKです。特に中央付近の左右のライトは3段階くらいで明るさが変化するので,付くか消えるかという液晶とは違って針式と同じくらいの精度でチューニング出来ます。バッファアンプが入っていてインアウトで使っても音質が劣化しないようにも工夫されています。
そして,なんと,バズ・フェイトンが付いています。

バズ・フェイトンってナニという人のために解説しますと,人の名前です。
バズはギタリストで,ギターに合うチューニングの周波数を5年の歳月をかけて開発したといわれています。

どういうことかといいますと,優秀なチューナーでピッタリと音を合わせたとしても,それは平均律という数学的に均等に音を割った周波数なので,必ずしも響きがきれいとは言い切れないのです。(詳しくは純正律研究所HPをごらんください)

実際,私はチューナーで合わせた音を微調整します。
そのままの音では響きがきれいではないからです。

でも,それはチューナーできちんと合わせた音に満足できなくなった人がすればいいことですから,初心者は気にしなくてもいいですよ。

バズはその周波数を公表していませんが,最近のエレキギターなどは最初から,その周波数でフレットを打っているものが多くなってきました。
エレキのオクターブ調整もこのチューナーで正確に出来ます。

チューナーでは世界で唯一このDT-7にだけ搭載されているのです。

論より証拠で,音を聞いてみましょう。


ハーモニクスとストロークで聞いてみましょう。

最初はDT-7のクロマチックモードでチューニングしたMD-47のハーモニクスを2回弾きます。その後,バズ・フェイトンで合わせたハーモニクスの音が2回入っています。

音のうねりを聞く必要があるので,それなりにボリュームを上げて聴いてみて下さい。

初めの方は音のうねりがワウワウと聞こえてくるのに対して,後の方はうねりがほとんどありません。

私はチューナーで合わせた後に自分で6弦の5フレットと5弦7フレットのハーモニクス使って,このうねりをなくしていましたが,BFTS(バズ・フェイトンチューニングシステム)を使うと初めからその音にチューニングできます。


チューナーによるハーモニクスのうねりの違い MP3



今度はストロークの響きで比べてみましょう。
最初はローコードでの響きです。次にハイポジションでの響きです。
ローコードでも余韻のうねり具合に違いが出ますが,ハイポジションではハッキリと響きの違いを感じていただけると思います。



ストロークでの響きの違い MP3


チューニングの仕方で音楽の表現にいくらか違いが出るように私は思っています。

ぜひ,チューナニングにもこだわってみましょう。




2008/3/11
最近は便利さがすべてに勝るところがありまして,DT-7は家で調整やレコーディング用などに使っており,外に持ち歩くのはKORG AW-1になりました。
またバズフェイトンの数値は公開されているようです。





チューナーの大切さ の記事もご覧くださいね。









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